捨猫との一期一会

2016/08/01 21:58

昨夜、仕事の帰りに沖縄市山内にあるスーパー「山内市場」に行きました。私は駐車場に1匹の痩せこけた子猫を見つけました。生後半年前後と思われるキジトラ白でした。その子猫の身体は驚く程にガリガリに痩せ細り、まるで普通の猫をお風呂に入れて毛に含んだ大量の水分でゲッソリ痩せた様に見える非現実的な姿でした…

何のためらい無く私は子猫にゆっくりと近づき、しゃがんで優しく話しかけました。周りの人々から見たら私は変人に見えただろうけど「ミャ〜？ニャ〜？」と猫語の発声で会話を持ちかけ、それに合わせて心の中では日本語で「どうしたの？そんなに痩せちゃって！捨てられたの？」と話しかけました。子猫は相当お腹が空いていたはずで、最初は私を「シャー！シャー！」と威嚇していましたが、その威嚇声にはもはや本来の力は無くガラガラでカサカサな弱々しい微音でした。可哀想に…

私が周囲の目も気にせず「ミャ〜？ニャ〜？」と心を込めて猫語の発声で話しかけると、子猫は落ち着いて私に近づいて来ました。私が子猫に手を差し伸べようとした正にその瞬間！突然背後に猛スピードで突進した違法に改造されたスポーツカーの激しい爆音、さらには目がくらみそうな眩しいヘッドライトの強光に襲われました。驚いた子猫は一目散に力を振り絞って逃げて行きました。その後、私は子猫を見つけることは二度とありませんでした…

私は心の底から残念な気分になりました。あの子猫は野生猫ではありません。食品スーパーや商業施設の駐車場に単独でいる猫は、かなりの確率の高さで人間に捨てられた可哀想な猫です。無様にも置き去りにされた子猫は、もはや人間を信用できなくなります。空腹で食べるものも無くスーパーの駐車場を彷徨い続けます。沖縄の真夏の炎天下、熱いアスファルトの上でスーパーの買い物客に「シャー！シャー！」と力無く威嚇する日々…

私は今日になっても、あの子猫が気掛かりで仕方ありません。同時にゴマちゃんが生まれて間も無く名護市の民家で人間に置き去りにされ、運良くNPO法人の「ケルビム」に保護されるまでの不安な日々を想像して重ね合わせると、私は本当に複雑な気分に襲われます。昨夜はモヤモヤした心のまま帰宅すると、ゴマちゃんがいつもの様に私の帰りを待っていました。

あの捨て猫との偶然の一期一会…複雑な気持ちで帰宅した私を2階から見下ろして迎い入れ、安心しきったゴマちゃんの幸せな姿…そんなゴマちゃんがほんの1年前の今頃に名護市の民家の捨て猫だった事実…

今朝も普段と変わらず早朝から熟睡する私のベッドに忍び込み「ニャー！ミャー！」と激しく鳴きながら、私の鼻にミッキーロークも顔負けの必殺猫パンチ！さらに私の耳に無情にも噛り付くマイクタイソンも驚く反則行為！そんな感じにゴマちゃんに毎朝のように叩き起こされても、私はゴマちゃんの愛情を充分に感じて朝一から本当に幸せになります！1日の初めに目にする物が可愛く大好きなゴマちゃんならば、これこそ人類最高の目覚め方ですよね！